歯周病と糖尿病

歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つと言われており、 糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。 さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきました。歯周病治療で糖尿病も改善することも分かってきています。これは歯周病の原因になる細菌の内毒素が血液に乗って脂肪組織や肝臓からのTNF-αという物質の産生を高めます。

このTNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

歯周病を合併した糖尿病の患者さんに、抗菌薬を用いた歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-α濃度が低下するだけではなく、血糖値のコントロール状態を示すHbA1c値も改善するという結果が得られています。

審美的なかぶせ物、詰め物

歯にかぶせる物(クラウン)や詰め物には材質によって特徴が大きく変わります。その材質の選択は治療する部位によって選択することが肝要です。審美性を最重要視する前歯には金属を使用しないセラミック(陶材)単体のものが透明感に優れ、金属に代わるジルコニアとセラミックを併用したものは、セラミック単体のものよりも強度が増します。セラミック(陶材)は変色がなくお茶、コーヒーなどが原因のステインも付きにくいです。一方、ハイブリッドレジンの場合はステインの付着が顕著です。奥歯では、ある程度の強度が必要なためジルコニアを併用した方が良い場合があります。

自臭症について

むし歯や歯周病が無いのに口臭が気になり来院される方がいらっしゃいます。そんな方のお口の中の特徴はしっかり歯みがきが出来ていて、とても綺麗です。歯科医院に口臭の相談に行くと「気にしすぎです」とか「もっと歯みがきを頑張ってください」と言われます。時には歯石の付着もないのに「歯石を取ります」と言われるのではないでしょうか?このような状態で口臭に悩まれている方を口臭外来では、自臭症と言います。これは病名ではなく便宜的な分類で他人がわかる口臭を他臭症と分類しています。